以下に基本的な口腔健康管理道具と使い方を示します。
重度の歯周病などがある場合には、歯科医院の指示に従うことが重要です。
〇歯ブラシの選び方
- 歯ブラシ大きさ:磨くところが小さめのもの
- 歯ブラシの毛:毛先が細いもの(商業的にはスーパーテーパード)
- 歯ブラシの毛質:ナイロン製(市販の95%)で問題ない。
- 歯ブラシの毛の硬さ:普通で問題ない。硬いと歯肉に傷がつくことがある。
- 歯ブラシの形状:平坦(平切り)で、3列植毛で問題ない。

〇歯ブラシの持ち方
- 鉛筆持ち(歯ブラシは鉛筆を持つようにする)
- 歯ブラシを握って磨くと、強い力が入り歯肉を痛めることがある。

〇歯ブラシの当て方
歯ブラシの毛先を歯と歯肉の間に当てる(歯ブラシ毛先が歯肉に入る様にする)

〇歯ブラシの動かし方
- 歯と歯肉の間に歯ブラシの毛先を当てたら横に微振動させる(小さく動かす)
- 歯を1本ずつ丁寧に磨く(1歯ごとに歯ブラシをずらして磨く)
〇磨き残しのない方法
一定の法則を決めて磨く。
例えば、右上奥歯→上前歯→左上奥歯→左下奥歯→下前歯→右下奥歯のように磨く順を決め、最初は外側の頬/唇側、次に噛む面、最後に内側の上あご/舌川のように磨き残しが無いようにする。

〇歯磨き粉(ペースト)
歯磨き粉を使わなくても十分清掃は可能であるが、口臭予防の一助になる。
むし歯予防のためにはフッ素入り歯磨き粉が歯を強くするのである程度有効である。
歯周病予防については薬効もある程度期待できるが、歯磨きだけで落とせないプラークを落とすために清掃剤的に使えばよい。
すなわち沢山付けると口が爽快になり「磨けた」と勘違いするので適量を付けることが大切。

〇電動歯ブラシなど
超音波は毛先周辺の2~3mm程度の範囲のプラークしか除去できないと言われている。
ブラシが目標部に届いていないと意味が無い。
そのため、歯の隙間などは手用器具で除去することを忘れてはならない。

〇舌ブラシ
舌には沢山の細菌が付いていて、舌ブラシも行うべきである。

寄稿
井上 孝(東京歯科大学・名誉教授、東京医学技術専門学校校長)
安井晴美(東京医学技術専門学校歯科衛生士科・主幹主任)